ハマってしまったラーメン作り

「何が何でも沖縄そばを食いたい」と思い立ったはいいけど近場にそんな店がなかったもので、「なら作ろう」と妻に薄目で見守られながら「沖縄そばのようなもの」を作ったのがラーメン作りのはじまりでした。 その日から特にやることのない休日は、せっせと麺とスープを仕込んで、気ままに自分が食いたいラーメンに近づけていくのがマイブームになりました。最初こそ薄目だった妻も、目を見開いて喜んで食べてくれるので鼻高々です。

全力ラーメンのはずが・・・

せっかくなら家族以外にも食べて欲しいと思っていたら、ちょうど結婚を控えた友人カップルを祝う会で振る舞うチャンスが巡ってきます。「やるからには本気でだ!」と麺もスープもカエシも時間をかけて仕込みました。 幸せになれ!そして美味しくなれ!と願いを込めながら作ったもので、仕上がったラーメンは今までで一番の出来になりました。具は友人作の煮卵とチャーシュー、ネギ、そして「メンマ」です。 食べてくれたカップルはもちろん他の仲間たちもそれはそれは喜んでくれて、大団円と相成りました。ただ、たった一つだけ、納得のいかないことがありました。

「メンマは自分で作ったと胸を張れるのかい」

その時使ったのは、「塩蔵メンマ」というよくスーパーで売っている塩蔵わかめと同じで、塩漬けされたメンマを水で塩抜きして味付けするものでした。味は間違いなくおいしいんです。 また買いたいと思うくらい。でも麺を打ち、スープを炊き、カエシを調合までして、メンマは加工品を味付けしただけ、というのは、どうも腑に落ちない。 そもそもメンマってどうやって作るの。分からない。しかし趣味をサボってはいけない。よし作ろう。

メンマのことをもっと知りたい

知ろうと目を向けてみると案外面白い。まずメンマは筍の乳酸発酵食品かつ乾物でした。 日本で食べられている99%のメンマは中国・台湾産でその主な理由が原料になる「麻竹(マチク)」が日本では沖縄県や他のごくごく小規模な温暖な気候地域でしか栽培できないからなんだそうです。こんなによく食べてるのに、知らなかった。 まず原材料が手に入らないとなると早速暗礁の上とも思いましたが、日本が誇る春の味覚、「孟宗竹」でだってやってやれないことはないでしょう。ちょっと硬いかもしれないけど。

運良く竹林ゲット

ただ春の王様はそんなにお安く手に入らない。なんとか手軽に手に入れる方法はないかと、竹林を持っている人はいないか方々聞いて回ってみますが、そんなに都合よくは現れません。そこで目をつけのたのが職場の竹林です。 最初から目をつけてはいたんですが、悪目立ちしたくなくて横目で見る日々を過ごしていました。意をけして管理している部署に話を聞くと、「取れ頃のは他に使うからダメだけど、取り損ねて大きくなってるやつなら、間引くという意味で掘っていいよ」と以外にもすんなり許可が出ました。

更なる高みへ

舞台は揃った。さぁやるぞ!と意気込んでやってみたのが去年のお話。その時は色々失敗もして反省点が多くてですね。 今回の内容は2年目の「メンマ2.0」についてまとめて行こうと思います。長ーーーーいお話ですので、暇な時に見てくださいね!

まとめ

筍の伐採から始まって、調理まででだいたい4ヶ月くらいの道のりでした。 出来上がったメンマはまだまだ歯ごたえが硬くて、改善の余地がたくさんあります。 戻しの技術をしっかり習得しなくてはいけませんね。

未完成とはいえ、とりあえず白飯のおかずとしてはとても美味しい。 チャーハンに入れたり牛肉と甘辛く炒めても美味しいと思います。 数に限りがあるので実際に食べてもらえる人は少ないんですが概ね評判はいいみたいで安心しています。

実は今回の仕込みを始める前に、メンマ作りに興味を持ってくれた小学生が 「夏休みの自由研究にしたい」ということで筍の伐採からいっしょに工程を進めていました。 「発表の時に絶対に作ったメンマを持っきなよ」と言っていたらちゃんと実行したらしく、 クラスの子達も美味しく食べてくれたようです。おかげで「メンマ先生」と呼ばれるようになりました。 間抜けなあだ名ですが案外気に入っております。

さてさて次は何を作ろうか。季節は作物の育たない冬。 雪国の厳しい冬を楽しく作って食べて乗り切ってやろうと思っています。 次回もどうぞよろしくお願いします。